築63年の社屋を「社員が集うクリエイティブ空間」へ
昭和の時代から歴史を刻んだ社屋をリノベーションされた共栄化学工業さん。社員たちが自由に使えるコミュニティスペースや、ゴルフなどでリフレッシュできるレクリエーションスペースなど、製造業のイメージを覆すような空間が完成しました。そのリノベーションの全容や、それによって起こった“変化”を社長の稲垣圭悟氏にお話をお聞きしました。
友安製作所
代表取締役社長友安 啓則(Boss)
共栄化学工業
代表取締役社長稲垣圭悟さん
Boss
共栄化学工業さんの建物は、築63年。リノベーション前はこのコミュニティースペースも十数年使っていない和室が二部屋で、すべて砂壁でしたよね。
そうですね。1959年に田んぼを埋め立ててこの建物を建設したのでそのくらいは経っていますね。コミュニティスペースは、以前、従業員が住み込みをしていた時に生活していた部屋。ですから和室2間で、入り口も2つあったんです。
稲垣社長
Boss
なるほど。では、その建物をどのタイミングでリノベーションしたいと考えたのでしょうか?
構想だけで言うと、かなり前から考えていました。私は大学卒業後に某企業とJリーグのチームで働いた経験があるのですが、そこは従業員やその生活を守る力があったし、環境も整っていた。それがうちにはまだなかったことが、ずっと課題になっていたんです。「工場は汚くて当たり前」という考え方もありましたからね。でも、私たちが作っているのは、美しさが売りのアクリル製品であり、クリエイティブな仕事でもある。それを汚い場所で作っているってどうなの? と考えていたんです。それに、ゲストを迎える時だけでなく、自分たちが仕事するときにも、オシャレでキレイな場所の方がモチベーションが上がるでしょ?
稲垣社長
Boss
そうですね。環境って大事ですよね。ゲストを迎える時も、自信をもって迎えたいし。では、友安製作所を選んでもらった理由はどんなことだったんですか?
オシャレだから!(笑) 阿倍野カフェも見ていたし、工務店の施工事例を見て、本当に単純にカッコイイと思って依頼しました。最初は他社さんに他の部屋の壁紙だけ替えてもらったんですが、それだけでも居心地がよくなって、じゃあ、もっとオシャレになったらどうなんだろうって。
稲垣社長
Boss
ありがとうございます。当初は、ここまでたくさんの箇所をリノベーションする予定ではなかったんですよね? 最初はトイレのみでした。
そうです! 以前は男女兼用の和式トイレだったんですが、それが見違えるようにオシャレになりました。「やられたッ!!」という感じで、私も自分でこんな感じにしたいなというイメージはあったんですが、図面の段階で、これは口を出さずにお任せしようって思いましたね。出来上がったトイレは、しっかり男女分かれた洋式トイレなのはもちろん、女性はバラの花をあしらったアンティークでおしゃれな壁紙。男性用もレンガ調の壁紙で、海外のオシャレなアパートメント風。こんなに変わるんだ!って感動しました。
稲垣社長
リノベーション後のF1トイレ
リノベーション後のF2トイレ
Boss
社員さんの反応はどうでしたか?
実は当初、会社をリノベーションすることに反対していた人たちもいたんです。「販売店じゃないんやから、見た目を良くしてもお金にならない」って。それが、もう何も言わなくなりました。だって、自分たちもすごく気持ちよく使えますから。
稲垣社長
Boss
それはこちらも嬉しいですね! それで次にリノベーションしたのが、受付カウンターのあるオフィス。こちらはどんな要望を伝えられたんですか?
このスペースは、お客さんが最初に入るところなので、とにかく明るく。そして、以前は既製品のカウンターで、場違いな感じがしてたから、天然の石のパネルを貼ってもらいました。あと、どうしても工場がつながっているから、床に樹脂の粉がすぐに落ちてしまう。だから、それが落ちてもあまり目立たないような床材のカラーやデザインにしてもらいました。
稲垣社長
Boss
コミュニティースペースもガラッと変えさせてもらいましたね。
従業員の部屋だった壁なんかも取り払ってもらって、全てワンフロアにしてもらいました。机もすべてオーダーメイドで、私たちが作業する机と、サイドテーブルの高さを全部合わせてもらったんです。それで統一感も出て、作業もしやすくなりましたね。もちろんすごくスタイリッシュでオシャレになりました。ここは床の高さが違うから、友安製作所工務店のJackさんもかなり苦労してましたけど、しっかり仕上げてくれてありがたかったですね!
稲垣社長
Boss
壁側の棚も特注でつくらせていただきましたよね。
そう! とにかく商品を並べる棚が欲しかったんです。これもオーダーでつくってもらえるっていうからお願いしました。最初はアクリル材で作る話もあったんですが、それだと逆にアクリルである商品が映えないかなと、現在の形に。スタイリッシュでカッコイイですよね。
稲垣社長
Boss
このスペースの入り口左の壁にある大きな唇の壁紙は、友安製作所で扱っている壁紙の中で、社長が気に入って選んだものですよね。
大きな唇の壁紙
そうです。どうしてもこの唇のイラストを見せたかったから、デザイナーのSammyさんも両サイドの棚のサイズを調整してくれました。夕方になると間接照明が当たって、もっとカッコよくなるんですよ。それにみんなで囲むテーブルのそばにはホワイトボードもつくってくれて、ミーティングも快適になりましたね。
稲垣社長
そうです。どうしてもこの唇のイラストを見せたかったから、デザイナーのSammyさんも両サイドの棚のサイズを調整してくれました。夕方になると間接照明が当たって、もっとカッコよくなるんですよ。それにみんなで囲むテーブルのそばにはホワイトボードもつくってくれて、ミーティングも快適になりましたね。
稲垣社長
大きな唇の壁紙
Boss
皆さんがコミュニティスペースで和気あいあいと食事されているのを見掛けて、私たちも嬉しくなりました。
ありがとうございます! 以前は自席の小さな作業机で各自が昼食を取っていたのですが、コミュニティースペースができてからは、ここの大きなテーブルでみんなが自由に食事も取っています。その名の通りコミュニケーションも取りやすくなりましたし、みんなのイキイキした表情も増えたと思います。
稲垣社長
リノベーション後のコミュニティースペース
Boss
3階のレクリエーションスペースの評判はどうですか?
社員みんなすごく喜んでますよ! ゴルフスペースもつくってもらったから、社内のゴルフ人口も増えました(笑)。それに、新商品を試す場所やうちが仕事をさせてもらっているスポーツチームの選手がトレーニングに使うことも。いろいろな用途に利用できて、福利厚生にも役立っています。
稲垣社長
3階のレクリエーションスペース
3階のレクリエーションスペース ゴルフスペース
Boss
最後に社屋のリノベーションを終えて、社長の感想をお願いします。
このコミュニティースペースは、そもそも別の部屋が引っ付いていた場所で、床の高さも違っていました。場所によっては大きな穴を埋めてもらったところも。そういった条件下の中で、味がある鉄骨は残して、利便性やデザイン性を最高潮まで高めてもらいました。社員たちの働きやすさもアップしたと思いますし、お世辞じゃなく、本当に友安製作所工務店に依頼して良かったと思っています。
稲垣社長
Boss
ありがとうございます!
共栄化学工業 創業は1951年。アクリル板のNC加工、曲げ加工などをメインに行い、化粧品などの什器や大型家具、オブジェといった専門技術を生かした製品をオーダーメイドで制作。ネット注文でも様々なアクリル加工に対応しています。 共栄化学工業株式会社